子宮頸がん検診について(液状細胞診)
2025/02/12
豊橋まちなかウィメンズヘルスクリニックです。
今日は子宮頸がん検診についてです。
子宮頸がん検診には従来型の細胞診(スライド法)と「液状細胞診(LBC: Liquid-Based Cytology)」があります。それぞれの特徴と違いを説明します。
『従来型細胞診(スライド法)』
綿棒やヘラを用いて子宮頸部から細胞を採取します。採取した細胞を直接スライドガラスに塗布し、固定剤を使用して顕微鏡で観察します。問題点としては細胞が不均一に広がることがあり、細胞の重なりや損傷が原因で診断の精度が低下する場合や、採取した細胞の一部がスライドに十分に移らず、検査の正確性が低下する可能性があります。また不純物(粘液、血液、炎症性物質)が混在すると、観察が困難になることがあります。
『液状細胞診(LBC: Liquid-Based Cytology)』
子宮頸部から細胞を採取する点は従来型細胞診と同じですが、採取した細胞を直接スライドガラスに塗布するのではなく、専用の保存液に浸します。保存液に浸した細胞を機械的に処理してスライドガラスに均一に広げた後、染色して顕微鏡で観察します。液状細胞診は細胞が均一に広がるため、細胞の重なりや損傷が少なく、診断の精度が向上します。また不純物(粘液や血液)が取り除かれるため、観察が容易になります。
保存液に入れることで細胞の劣化を防ぎ、一定期間保存が可能で、再検査が必要な場合や同じ試料を用いて追加検査として
ヒトパピローマウイルス(HPV)のDNA検査も行えますHPV検査を併用することで、癌のリスクがより正確に評価できます。当院の子宮頸がん検診はHPV検査と併用できる点や再検査の柔軟性などを考慮して全例液状細胞診を行っています。